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Mission × Mission 【09:疾走、九回裏オーバーラン】

第九回。今回は前置きは短くしておこうと思います。
ラストバトルはやはりこの二人に演じて欲しくて。






【09:疾走、九回裏オーバーラン】





「あれを見ろ!」
熱気の篭もった体育館に大音声がとどろいた。
群がる人混みの中から飛び出た名もなき声は、一本の矢のように人々の注意を牽引していく。あまたの目が、耳が、彼の指さす先を追う。
只、二人の男子生徒が肩を組んで向かい合っていた。
筋骨隆々とした頼もしい骨格、二つが並ぶと互いの背を競うようにも見える。長身、骨太、無骨、二人の男児だ。ぎらぎらとまなこを滾らせれば、気の弱い少年少女であればひとたまりもないだろう。今は、頭を伏せた双方の眸が静に地面を睨むのみ。血気あふれる闘争心をこの時ばかりは喪失させて、しかし、表情にはにわかに緊張を結んでいた。
互いの肩を抱き合うような姿勢のまま、彼らは低くしゃがみこむ。
これからいったい、なにが起こるのだろう。隠しきれない好奇に揺れた心が零れて、淀んだ空気に浸透していく。ゆるやかに沸き立つ興奮の色に、拡大していく期待の眼差し。――彼らはこの絶望的状況を、打破してくれるのではないだろうか?
無論、ヒーローたちは、正義の味方は、期待を裏切らない。

「真人、謙吾! いくよ!」

咆哮のような雄叫びと無言の首肯が言葉にならないままに、その呼びかけに応じた。
呼び声の主――小柄な少年が頭をもたげる。鋭い視線を天井に投げて、徒競走の構えをとった。力強いスタート・ダッシュ。ごつごつと盛り上がった岩肌のような巨漢の背筋を、すべらかな素足が一息に駆け上る。
「今だ、鈴!」
天辺で彼は叫ぶ。高らかかに、朗らかに。意気揚々と謳い上げる。そう、彼の声音は確かに昂揚していた。
少年の熱につられるように、凛と、少女は応える。彼女は天を駆けてきた。ステージから飛び立った、天駆ける一縷の影は一直線の尾を引いて目指す。その先には頑強な蓬山が聳えていた。少女は素早く山頂へ着地した。少年の姿を頂きに抱いた双肩の峰は、少女の体重を受け止めてぶるりと、武者の怖気を拭うごとく震撼する。
彼女の細い手足を少年が支え、固定する。
そして、山はゆるやかに成長を始める。
ぐんぐんと穂先を伸長する山の麓では、屈強な二対の双璧が折れた膝を垂直に伸ばそうと小刻みに震動している。
今こそ天まで届く円塔を築くその時だ。人々が仰ぎ、言葉を失い、希望を抱くその最中で、彼らはそろりとその背を伸ばす。組んだ手足に汗を握り、互いの腕と肩とを掴みながら、塔を模って身を寄せ合う。
両足を二人の男子の肩に預けた小柄な少年の背に、一人の少女が脚をかける。
遂に少女は天へとその手を伸ばした。


* * *

つまるところ、組体操の要領だった。
小学生時代。僕、恭介、真人、謙吾、鈴の四人は運動会のプログラムの演目として、何度も人間ピラミッドを組んだチームだった。恭介は中学に上がってからも、他の女子と混ざって二人組を作りたがらない鈴のために、組体操に参加していたほどだ。
身体ができあがった高校生になってからまさか運動会の真似事をするなんて、思いもしなかったけれども。
あの頃、四人で円塔を組もうとしたことは一度もない。いつもいつだって、学ランを脱ぎ捨てた恭介が小学校のグラウンドで裸足になるのを待っていた。
初めて僕らだけで組んだ塔は不恰好で、つつけば崩れそうな危ういバランスで、欠けたパーツが明らかだった。それでも、渋々だろうが已むなくであっても、僕らはやり遂げたんだ。

僕の背に乗った鈴が無事にキャットウォークまでたどり着いたのを見送って、安堵に呼吸が和らぐ。これで当面の役目は完遂だ。組体操は至難の業だったけれども、体力勝負はここまで。外への伝令係を鈴に任せて、体育館に残った僕らは全員待機。これでいい。そう、これでいいんだ。
どっと、疲れがため息になった。真人と謙吾の二人に肩車をされたまま、俯く。いつまでもこうしていられない。謙吾と真人も、無茶な組体操に流石に一息つきたいだろう。それから。そうだ、皆に、指示を。
顔を上げた、そこで――。
「理樹、いくぞ!」
鈴が、手を伸ばしていた。
迷いはなかった。一切の言い訳もなしに伸びる手を、僕は掴む。――行くんだ。
窓越しの日差しが眩しい。透明な日光がガラス越しにきらきらと粒となって降り注ぐ。目を見開くのも辛い白に向かって、僕はキャットウォークの縁に手を掛ける。身長が足りない。鈴の手をとって僅かに浮いた程度じゃ全然足りない。無茶苦茶だ。
こんな場所で懸垂をするくらいなら、もっと日頃から鍛えておけばよかった。冬の日の練習も怠らず、何なら真人愛用の筋トレグッズを借りたっていい。
気づくと僕は鈴と共にへキャットウォークに立っていた。立っていたというよりも、這いつくばっていた。
脚が、竦んだ。
階下にはわらわらと沸き立つ人波。先刻の脱出劇を見守る群衆。キャットウォークの上から見える頭は肩を並べるそれより僅かに小さい。
リトルバスターズの面々は勢揃いで首を傾け、僕ら二人に視線を送っていた。その、狙い澄ましたかのような表情に、僕は思わず情けなくも尻込みする。
破顔一笑。はち切れんばかりに、あるいは穏やかに。
こうなることを予め折込み済みだとでも? 僕は今にも飛び出していきそうなほどだった?
戸惑いに言葉を失っているというのに、肯定するような後押しするかのような笑顔ばかり向けてくる。
来ヶ谷さんに至っては……ぐっと突き立てた親指。――グッドだ、少年。とでも言いたげだ。
「少年。こっちは我々に任せておけ。リトルバスターズには一騎当千、百戦錬磨の見た目は将校――が雄を競っていることは知っているだろう?」
当てにしていいのか、俄然心配になる例えだった。
こういう時、恭介が読んでいる漫画なら「後は頼む」とか気のきいた台詞の一つでも吐いて、身を翻して戦地へ赴く所だろう。生憎、何事にも動じないクールなヒーローには程遠い。全く残念なことに、僕ときたら腰抜けもいいところだった。
リーダーなのに肝心な場面で離席して、鈴に任せるはずの大役にのこのこと後をつけて、それでいいのか。いや、ここまで来ておいて何を迷っているんだ、直枝理樹。そう自分を叱咤する。しかし、迷いと焦りに縺れた脚は動かない。
そして、迷える羊も裸で逃げ出す様子で土壇場にフリーズした僕は。
「ぐずぐずするな、はやく行くぞっ!」
――鈴に背中を蹴られたのだった。


生まれてこの方、初めて浴びる風だった。
屋外、体育館の二階、窓枠を超えた先では百八十度が青空だ。思いの外の高さと見晴らしに一時怯む。息を飲めば喉をすり抜ける空気が涼しげだ。熱気のこもった体育館から飛び出てきた身としては開放感が快い。
もちろん、足元の不安定さには叶わないのだけれども。
バルコニーもないのにひさしの上に立つ、僕ら二人。我ながら無謀すぎる。
階下までは五メートルほどだろうか。中庭の木々が枝分かれする高さに立つと、自身の破天荒な行為を自覚してすっと肝が冷えるのを覚えた。咎める人がいなくて助かった。これでは僕も鈴も、非行少年もいいところだ。
流石の鈴も窓枠をがっちりと掴まずには立つのもままならないらしい。身軽で俊敏で、猫のようだと思っていたけれども、運動能力は人間の範疇のようだ。
鈴は、じっと中庭の先の校舎を見ている。彼女にしては珍しくも、無言のまま。すぐにでもここから降りたい身としては沈黙が金とは断言しがたい。ここは、僕が背中を押すところかもしれない。
仕方ない、覚悟を決めよう。『鈴、降りようか』、そう言いかけたところで――。
「理樹、おまえはあのバカを追いかけろ」
鈴が言った。
意味が解った。解ってしまった。たちまち、頷いてしまいそうになる。けれども、僕らが担う役目は、そうじゃない。そうじゃないだろう。
「なに言ってるのさ、体育館にいるみんなを救出するのが先だろ?」
僕らは背中に皆の期待を負っている。
こうしている間にも体育館の騒ぎが表沙汰になれば教員達も黙っていないはずだ。最悪の事態を考えなければいけない。リトルバスターズの全面活動停止、その程度なら生易しい。事はもはや僕ら総勢十人の小さな野球チームの問題ではなかった。体育館に閉じ込められた百余名、大勢の生徒の現在(いま)が、みんなが、僕らの一存にかかっている。
だから、僕は、想いのままに走れない。
どれだけ問い詰めたいか、どれだけ追い駆けたいか知れない。取り残された生徒達に負けないほどに不安に決っている。今だって、壇上から落ちた衝撃が耐え切れないほど痛い。
窓枠にしがみついた体勢でさえ無ければ、鈴の首根を掴んでいた。思いきって怒鳴っていた。
それを鈴が、よりによって鈴が僕に言うのかと。
反駁は言葉にならない。怒声にさえ変えない。
鈴は校舎の一角を、その先にあるグラウンドでも確かめるように、見据えている。
「こんなことになったのはきょーすけが悪い。だいたいあいつのせいだ。とっちめてこい」
「それは一理あるけど……。でも、鈴一人でどうやってみんなを助けるんだよ」
そうだ。よりによって、あの鈴なのだ。
極度の人見知りで、幼馴染の他に碌な会話もできない、無愛想な女の子。友達だって猫ばかりだ。困った事があれば恭介の影に隠れて、僕の服の裾を引っ張って。問題を抱え込むくせに解決は他人任せ。誰より不器用で、見知らぬ人が大の苦手。交渉ごとなんてもっての外。
僕がここにいる限り、鈴を、ひとりにはできない。
「……ひとりじゃない。ささのはさしみは、部会に出てる。かなたは委員長会だって、くるがやが言ってた。あいつらを呼びに行く」
眼差しに迷いはなかった。
横顔は僕なんか既に見ていない。
つい数秒前に過ぎった考えが、水滴が乾くように消えていく。……鈴は、もう僕の知っている鈴じゃない。友達と秘密だって共有する。恭介がいなくても困らない。
『少し前まではそんなの考えたこともなかったけど、今はこまりちゃんや、あいつらや、みんながいるからな』
……河原での言葉は、そういうことか。
確かにあの二人なら、この状況を打開できるかもしれない。ソフト部は雨の日は体育館の一角を陣取っているし、風紀委員長なら各方面に顔利きもする。体育館の外側からかけられた鍵を開ける手立ても当てにできる。
「もともとあたしだけのところに、理樹がかってに着いて来たんだ。だから、馬鹿あにきのしりぬぐいは……あたしがやる」
ぶっきらぼうで、向こう見ずな酷い言い草だった。
キャットウォークから伸ばしたあの手は何だったんだよ、と言い返してやりたい。八つ当たりになるから、言わない。
解決策を模索して交渉事にだって挑もうと力んでいる鈴に不格好な喧嘩を売るほど馬鹿じゃない。背伸びだって見抜けないほど鈍感になるにはもう遅い。幼馴染というやつは近すぎる。
僕のほうが、鈴に背中を押されてばかりだ。
「……わかった。鈴、健闘を祈ってる!」
「けんと? うみゅ、なんだか分からんが、理樹もがんばれ!」

こうして僕らは背を向け合う。一切合切振り返らず、一心不乱に走りだす。
中庭に棒立ちの太い幹伝いに地上に踵さえ降ろしてしまえば、あとは自由なアスファルトを駆けていくスニーカーが目的地を知っている。
中庭の傾斜を抜ける。
鬱蒼とした繁みを見過ごす。
渡り廊下の段差を飛び越える。
白亜の校舎の角を曲がる。
太陽が照りつけるグラウンドに、追い求めた背中を見た。
まったく鈴は、どこまでも鋭い。猫ばかり観察しているようで実は兄の行方も感知できるだなんて、これが妹の成せる技なのだろうか。恭介が向かうなら、よりによって一番目立つグラウンドだって、予想ができない訳じゃないけどさ。
土煙を捲いて、青々とした芝生を駆ける黒い影が映える。既に中腹まで進んだ恭介の位置までは、グラウンドへの足がかりになっている芝生の絨毯――僕の立つ緑の坂からは絶望的にリーチが長い。
盗塁王の恭介が奥の校門へたどり着くまで、あと何秒あるだろう。いくらなんでも、校外に出られたらゲーム・セットだろう。見知った町並みとはいっても障害物の多い屋外では最悪の泥仕合だ。おまけに組体操からここまで大道芸の連続で、膝の笑いが止まらない。体力には自信がないんだ、これっぽちも。
そして僕は、上着を脱ぎ捨てる。
汚れるのは、構わない。シャツもスラックスも汗まみれだ。上着のひとつくらい、吹きさらしの春風にくれてやる。
行こうか、鬼ごっこの始まりだ。

一面を黄金の日差しが容赦なく照りつける、だだっ広いばかりのグラウンドが今は恨めしい。
電線に切り込みを入れられた山並の稜線、対岸の緑、景色はひとつも変わらない。その一方で、目指した背中はどんどん小さくなっていく。
息があがる。脇腹が悲鳴にうめく。頭は酸素を求めてあえぐ。こめかみが鉛球で撃ちぬかれたように重い。上下する視界には直視した太陽の残光が点滅してうるさい。
ああ、くそ……。
リトルバスターズは野球チームだ、運動部でもないくせに身体能力の高さはお墨付きじゃないか。
だいたい、そういうのは卑怯じゃないのか。どこのポジションに居たって完璧に役目をこなして、打者に立てばヒットを連ねてランナー一掃、守備に着けば鋭いバックホームが走者を突き刺す、挙句の果てにピッチャー経験も乏しいはずなのにマウント上でいきなり剛速球だって投げやがって。チームを結成して、まともに野球を始めて間もない僕が打てる速度くらい、タガが知れているじゃないか。
ずっと隣で見てきたんだ。後へ続く雛に合わせて鈍く緩めた速度も、本当は君がどれだけだって走れることも、僕は知っているんだ。
手加減されていた。ずっとその甘さに溺れてきた。
リーダーの特権も年長者の余裕もかなぐり捨てて走る君の背中は遠く、届きそうで伸ばしたはずの手がこれっぽちも及ばない。
奥歯を噛み締める。口惜しさが滲んでくちびるが歪む。
掴めたはずの憧憬は速く、眩しく、グラウンドを駆けていく。
加速度的に開いていく距離は埋まらない。僕ら二人の本来的な立ち位置は、これだけの懸隔でも足りない。
手強いな。慣れない僕が今更走ったところで、本気を出した恭介に追いつけるかどうか怪しい。きっと誰もが無謀だと嗤う。
――それでも、僕は。
駆け出さずにはいられない。走るほかに近づく方法がわからない。いつも暗い部屋で独りで待っていた僕だけれども、一度は恭介の元まで辿り着いたんだ。迎えに行ったんだ。それだけは覚えていた。
急に、驚くべきことが起こった。――恭介が、コースを変えた。
真っ直ぐに校外へ向いていたつま先がターンして校舎側を目指し始める。減速はしない。予め決まっていたかのように、美しいフォームのまま疾走を続ける。
向かった先には、トタンの屋根。
陰日向が交差する校庭の片隅。
ひっそりと隠れ立つ、一棟の扉。
僕らの――リトルバスターズの部室だった。

恭介が消えた扉を、慎重に引く。
かなり遠くから確認したとはいえこればかりは間違いようがない。幾度となくくぐった鉄扉。曇った磨硝子。板張りの表札には「野球部」の力強い文字。
活動休止中の野球部から借り受けた、リトルバスターズのミーティング場所。着替え場所でもある。休憩時間をここで過ごす者もいる。僕らが約一年ばかり過ごした、すっかりお馴染みの風景の一つ。
鍵はかかっていなかった。間違いない。まさか手品でもあるまいし、恭介が、この中にいる。長さにして五センチ弱、僅かに開いた扉の一寸先には深い闇だけが小招いている。
脅える必要はない。ここにあるのはいつもの汚れた部室の景色と――先にやってきた恭介だけなのだから。
訊きたいことが、問い詰めることが山ほどある。言うべきこともあれこれ浮かんでくる。
武者震いを押し込めて、僕は部室の闇へと突入する。
室内は暗かった。より正確には……暗すぎた。
扉から差し込む光だけではせいぜい入り口付近の様子しか見えない。電気は――どこだっただろうか? 日中しか出入りしないためか記憶も曖昧な場所を手探りで捜すものの、前後不覚に陥って立っているのもままならない。
――いや、待てよ。そもそも今は平日の真っ昼間だ。太陽は天高い南の空でギラギラと輝いているのは、グラウンドの日照りが証明している。体力を奪われたのは晴天のためだ。そもそも窓からの採光は……。
バタン、と。急に背後で扉が閉じた。
背筋が跳ねる。意識が暗色に浚われて、視界は黒のカーテンでシャットアウトした。
そして、宙に雷が――瞬いた。
暗闇の中でぼんやりと透明な光の帯が冴える。
埃がキラキラと舞う――そして、闇の中に真っ白な窓が、ぼっかりと空いた。
白の長方形はわずかなブレを生じながらも、形を変えなかった。
ぱっと窓の景色が切り替わる。
映ったのは――数字だ。3、2、1、…………カウントダウンが開始する。
ゼロの数値に代わって、四角に景色が映り込む。
見慣れた景色、学校の中庭だった。
そこには、誰もいない。人影が現れる前に――場面は一変した。
次は、屋上だ。学校の、屋上。茜空。目に染みる赤。
そして、青。
河原。深い紺碧。どす黒いせせらぎ。
グラウンド。土煙。黄金。緑の稜線。
教室。朝の静けさ。
廊下。窓越しに階下の喧騒。
裏庭の木陰。
体育館。外観。グラウンドから見上げた。
狭い部屋。男子寮の一室。遊び倒された野球盤。漫画の山。
商店街。休日に出かけた場所。
そして、――見覚えのない街並み。
背の高いビル街。
谷間を走る電車。
赤と白の塔。――東京タワー。
カラカラとどこからか滑車が回るかのような音がする。
それはさながら、映画のスクリーンを見ているようだった。

ギイイィ、鈍い開閉音がする。
景色が霞む。闇を切り裂く光が差し込む。
背後を振り返ると、開いた扉。光を呼び込む唯一の出入口。
そこには――。
「よう、理樹。俺の見てきた世界はどうだ?」
にやり、お決まりの得意気な笑みで。
恭介が、立っていた。

(つづく)
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管理人:晴野うみ
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