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リトバス小ネタ

SS未満の小ネタメモ。不定期更新。

ツイッターの呟きサルベージや、短い会話劇など。
カップリングは雑多です。今のところ理樹とヒロインが多め。
いつかどこかの作品でどさくさに使うかも。





≪佳奈多誕(佳奈多→葉留佳)≫

16個目の後悔を私は箪笥の底に隠す。
言えなかった言葉、伝えたい気持ち、深紅のリボンでくるんだ小箱は届かないまま埋葬される。
あなたに贈るはずの髪飾り。玩具のようなそれではなく、
年相応の女生徒然としたアクセサリーも、きっと似合うと思った。
返せない負債がまた、ひとつ。

仲直りする前の佳奈多さんは毎年毎年買ってしまうプレゼントを渡せずに、
クローゼットにしまいながら、誕生日だというのに一年で一番浮かない顔をしていそう。



≪美魚誕①(美魚)≫

誕生日にはぜいたくを、ひとつだけ。
カタカナ表記の著者名、ハードカバーの分厚い冒険小説を一冊、手にとってカウンターへと並ぶ。
児童書なんて珍しいと隣のあなたが囃す。
「誕生日だからですよ」
腕に抱えた本は、二冊。


≪美魚誕②(理樹×美魚)≫

「バスターズの全員が『用事』なんてさ、いくらなんでも気の遣い方が極端だよね」
そう、直枝さんは苦笑する。
茹だるような真夏の外気から隔絶された世界、部屋の中には壁面を埋め尽くす蔵書と二人分の呼吸。
ふたりきりの誕生日。
遠いいつかはあの子と、今はあなたと。


≪栞(美魚&佳奈多)≫

名入りの栞を見た。
図書館で借りた本に挟まっていた一葉を届けると、彼女はいとおしげに撫でていた。
「二木さんが、拾ってくれたのですね。ありがとうございます」
「西園さんのものだったのね」
「…はい。今はもう、確かに」
本当に? とわたしは訊かない。
“にしぞのみどり“とは、面識がない。


≪熱(恭介×佳奈多)≫

綿枕を掴む手にぎゅっと力が篭もる。
抱き締めた低反発素材は腕の拘束から逃れようとするようで、いまばかりは憎い。どうしても。
「おいおい、そんなに身構えることないだろ」
呆れた声と吐息が耳朶をかすめ、ああ、と溜息を洩らしそうになる。
首筋に当たるのは、ごうごうととどろく放射音。熱風。ドライヤーが吐き出すマイナスイオン。
湿った髪の水分を飛ばす、その風量は最大のはずなのに、温度はのろのろと低迷しているようにさえ感じる。
――温度。
ターボスイッチを入れたくらいでは誤魔化しきれそうもない。熱風は弱く、音は閑かで。
(もう、はやく、終わらないかしら……!)
肩のあたりに無造作に置かれた、ひとまわり大きな手。
預けた背中から伝わる布越しの知らない体温。
タービンの代わりに、心臓だけが煩い。
火照った肌の熱ばかり上昇して、まったく止まってくれそうもなかった。

お題元:「あなたは3時間以内に5RTされたら、パジャマ姿で枕を抱っこする相手をまた後ろから抱きしめる恭かなの絵を描きます。」 絵じゃない!



≪【あらすじ風予告】リトバスあふたー≫

「水道事故ぉ?!」
男子寮、痛恨のリフォームミス。
相談できる相手もなく、ひとり途方に暮れる僕の元に現れたのは、
就活に出かけたはずの恭介、そして幼馴染の謙吾、真人だった!

「話は聞かせて貰ったぜ。理樹が大変な時に、偶然にもルームメイトが帰省中で
 しばらく帰って来ないなんてな……こいつはただの偶然…じゃないぜ。
 ところで、一人部屋ってやたらと広く感じないか?ん?そもそも何で寮に残ってるかって?
 就活?……おいおい、俺を誰だと思ってるんだ?……新学期から本気出す」
「同学年で同じクラスという条件、真人と変わらず気兼ねなくできるだろう。
 理樹、俺の部屋に来ないか」
「あー!部屋が無事だからってせっけぇぞ!こうなったらあれだ!一緒に帰省して俺ん家に泊まろうぜ!」
「……!!! その手があったか!! 俺としたことがしくっちまった……。
 ようし理樹!未来の棗家の一員としてお前にミッションを」
「卑怯だぞ恭介!」
「おまえら、寄ってたかってきしょい」

こうして、僕らリトルバスターズの夏休みは始まったんだ!

リトバスあふたー〜僕のルームメイトで幼馴染達が修羅場すぎる〜

――俺が、俺たちが、お前を一人残して何処かにいくと思ったか?
――夏休みなんて楽しいイベント目白押しだろ。とことんまで楽しむぞ、覚悟しておけよ。
――学生生活最後の夏なんだ。リトルバスターズの全員で一緒に過ごす、最後の……。

『さあ、ミッションスタートだ!』


(っていうゲームが出ないかなと思っただけですクドわふファンの人すみません…。)



≪雨(唯湖&理樹)≫
曇天。空の果ての灰色雲を窓枠をうめつくす滴が、ぐにゃりと景色をゆがめる。
午後一時から下り坂をまっさかさまに転げ落ちた天候は、回復の兆しもなく悪化の一途をたどっていた。
降水確率は75パーセント。
本日は雨天なり。
「少年は雨は嫌いか?」
なんとなく物憂げな心地で校庭を見つめていると、来ヶ谷さんが話しかけてきた。
「嫌い…というか小さい頃は雨が降ると外で皆と遊べなかったからさ。
楽しい思い出は……あんまりないのかも」
「ふふ、そうだったか。…私は覚えているよ、雨の日の楽しい思い出」
「え?」
……意外だった。来ヶ谷さんのその言葉も、その笑顔も。
そうして過激な彼女はこれ以上なくおだやかに、まるで静かに降る天の露のように……
あざやかな瑞々しさで僕の予想を裏切っていくのだった。
「傘を持った恋人達にとっては静かな雨の檻も、存外悪くはないということさ」


≪おまじない(佳奈多&クドリャフカ)≫
「ねえ、クドリャフカ。さっきから何か甘い匂いがしない?ココアのような…」
「かなたさん! ええと、おまじないなのです」
「…そう。あなた確か国語の成績は悪くなかったわよね」
「…? テストは苦手なのですが…」
「なら、知ってるでしょう。のろいもまじないも、同じ字を書くことくらい」

「……ごめんなさい。今のは忘れて…なんて都合が良すぎるわね」
「いえ、…いいのです。きっときれいな意味だけじゃないことも知っているのですよ。
 でも、だからわたしは、」

「わたしの小さな歯車が…誰かを留めておいてくれることを期待してしまうのです」



≪コイ(鈴&理樹)≫

「恋患い…言葉の通りさ、ほんとの病気みたいに」
そっと、猫が音も立てずに地面に着地するような、か細い呟き。
どこか浮き足立った印象と、沈んで淀む理樹の声。
鈴の知らない、恋を語る横顔。それは見たことのない表情で。
「理樹、どっか痛いのか?」
――それが怪物ならあたしが倒してやるのに。



≪おねーちゃん(恭介&佳奈多)≫

「二木はいいよな……。三枝に『お姉ちゃん』なんて甘い呼び方されてさ…」
「ま、まあ、葉留佳が可愛く呼んでくれるのには悪い気はしませんけど…」
「やっぱ男としては『お兄ちゃん』が理想だけどさ、『お姉ちゃん』って響きも悪くないよな…」
「それも、否定はしませんけど」
「俺は今とんでもないことを思いついちまった。こいつはやべぇぜ、聞きたいか?」
「至極どうでもいいです」
「おいおい、そんな期待を込めた熱い瞳で見上げるなよ。照れるぜ」
「今見てたのは机の上の書類なので、棗先輩は一瞥もくれてやがりませんが」
「『お兄ちゃん』がアウトなら、俺は鈴に『お姉ちゃん』と呼ばれたい!!」
「男性としての真っ当な選択肢は前者のみですけど」
「ハッ、舐めてもらっちゃ困るな。鈴に呼ばせるためなら……女装も辞さない覚悟だッ!!」
「普通に公然猥褻罪で訴えられるんじゃないですか」
「やるからには勝つ、いや、一発華々しく咲くぜ俺は!」
「むしろ男としての兄としての尊厳が寒々しく散ればいいんじゃないですか」



≪レッスン(理樹×唯湖)≫

「ほらほら、理樹君、こっちだ」
来々谷さんの綺麗な指先がとん、と跳ねる。
ピアノを弾く彼女の指は盤上で優雅に舞う踊り子のようだ。
その一方で、もたもたと拙い動きでそれを追いかける僕は……僕の指先は…。
「さながらくるみ割り人形。いや、シューベルトの魔王か?」
微妙に説明を聞きたくない…。
「やっぱり高校生にもなってバイエルから始めるなんて無理があるよ…」
「もうお手上げか?恋人と連弾してみたいという、いじらしい乙女の願望くらい叶えてくれてもいいじゃないか」
来々谷さんの我儘って時々無茶だよなあ…。
さらり、流麗な黒髪が揺れる。僕の隣で次々に変わる彼女の表情は、いつかよりずっと豊かで。
「頼りない王子様だな、理樹君は。……まあ、そこが愛おしくもあるがね」



≪有栖川有栖原作「孤島パズル」のボートシーンパロ(理樹×美魚)≫

「直枝さん、わたしをボートに乗せてくれませんか」
そういえばこんなシーン、西園さんが貸してくれた小説にあったな…。
夜に二人でボートに乗って、中也の詩を暗唱するやつ。
『ぽっかり月が出ましたら……』
月明かりに酔ったのか、気づくと僕はその詩を口ずさんでいた。
それは、恋のうたに聞こえた。
湖上に浮かべたボートの上で、月の夜を静かに漕ぐ櫂の手。
二人の間を泳ぐ水の音。跳ねる滴のうつくしさ。
リズミカルなテンポで心情を吐露するこの詩に乗せて、物語の彼はどういう気持ちを伝えたのだろう。
……暗唱を終えると、沈黙の幕がふわりと落ちた。
急に照れくさくなった僕の隣で、彼女の表情は、どこか、恍惚としていて。
「す、すごいです直枝さん」
……おお、西園さんが感動してる。
ちょっと気取り過ぎかと思ったけど、こんな時のために丸暗記しておいて良かった。
「恭介さんに迫る本番でもその調子でお願いします」
「西園さんごめん何言ってるか分からないよ!!」

(参考:中原中也『湖上』)



≪一問一答ポッキー(恭介×理樹)≫

「恭介、ポッキーあるけど食べる?」
「ん?ああ、いいぜ」
僕が差し出したポッキーを受け取る恭介。
箱から細長い菓子を一本だけ取り出し、口にくわえる。
そのままぽきっと小気味の良い効果音を立てて齧る……はずが口元は微動だにしない。
そして、何故かがしっと強い力で肩を掴まれた。
恭介の顔が迫って、そのまま僕らの間の距離が一秒ごとにゼロに近づく。
真剣な瞳、目を逸らすのがもったいないほどの赤、長い睫毛……。
「って、うわあああ!いきなり何すんのさ!」
「何って……ポッキーゲームに決まってんだろ。定番だぞ、理樹」
「え?え、えっ、ちょっ……恭介、ちちちちか、……むぐっ」

(Mr.ポッキー棗先輩はものすごくエロティックに食べる。)




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